雨の日に傘を差すようにレインコートを着るように
雨が降ってきました。傘を差しましょう。
なぜって?
服やカバンを濡らしたくないからですよね。
建物になぜ屋根がついているの?
人と同じ、自分を濡らしたくないから。
軒の出が深い屋根は、大きな傘を差しているのと同じ。
外壁が濡れにくく、傷みにくい。
でも、「大きな傘は邪魔くさいし、スタイリッシュじゃないなあ」という人もいますよね。
そんな時はレインコートを着るように、防水性の高い材料を使いましょう。
屋根材
最近は、敷地に余裕の無い場合などでは、屋根勾配の小さい屋根や、軒の出が小さい屋根を見かけますが、そこは充分な性能を兼ね備えた屋根材、外壁材を使う事が求められます。
デザイン性とローコストのみを優先すると、後で大きなリスクを背負う事もありますので、設計段階で慎重な判断が必要になると思います。
屋根のかたち
雨水をどのように流すのか?という考え方
切妻屋根の建物において、妻側の入り口から建物に入る事を「妻入り」軒先側から入る事を「平入り」といいます。平入りの場合、もし雨樋がなければ雨の日には滝のような雨をくぐってでいりしなければいけません。
例えば、出入り口の上部に「入母屋」をつければ、雨水はこの両側に流れるので、真上から落ちる雨水は随分軽減されます。
「妻入り」「平入り」の別は、風土的・歴史的由来や格式だったり、純粋に「流水的意味」であったりもします。
寒冷地では凍害のおそれから雨樋をつけないこともあります。
その場合は特に、窓からの眺望や落ちる雪、ツララなども考えた屋根の形を考える必要があるでしょう。
いっそのこと、垂れ流しも。
雨水の流し方は、一般的にドレンに集水し、竪樋を通して排水しますが、場合によっては逆に、〈雨のしずくをも感じる〉というのも、余裕をもった暮らしにはひとつの選択肢かもしれません。
弊社の作品、Y様邸の縁側部には、あえて樋を施工せず、雨の日は縁側に座り、お茶を飲みながら雨粒が落ちるのを眺めて、スローな時間を過ごしましょうよ。というコンセプトで施工しました。
屋根のかたちというのは、デザイン的、機能的、安全性、コスト、将来のこと、暮らし方等々、住まいにとって非常に重要な部分になります。
できる事なら、設計段階で材料・形などをよく吟味し、妥協しない屋根にする事をオススメします。
たかが屋根、されど屋根。